ご入学おめでとうございます!(2018年度入学式)

2018.04.07

2018年4月7日(土)、2018年度入学式が本学アゴラ?グローバル プロメテウス?ホールにおいて行われ、言語文化学部416名(編入学15名含む)、国際社会学部409名(編入学15名含む)、大学院総合国際学研究科博士前期課程/後期課程161名、留学生日本語教育センター67名の計1,053名の新入生が入学を許可されました。

2018年度入学式学長式辞


入学許可

立石学長式辞

藤村留学生日本語教育センター長祝辞

長谷川東京外語会理事長

道宗学生後援会会長

混声合唱団「コール?ソレイユ」による大学歌合唱

会場のアゴラ?グローバル前にて

2018年度入学式学長式辞

学長として東京外国語大学を代表して、皆さんのご入学を心よりお祝い申し上げます。

また、本日、研究講義棟101マルチメディアホール等にてこの式辞をお聞きいただいている保護者の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
本日ここに、言語文化学部416名(編入学者15名を含む)、国際社会学部409名(編入学者15名を含む)、大学院総合国際学研究科博士前期課程?後期課程161名、また留学生日本語教育センター67名の新入生をお迎えしております。希望に満ち溢れる皆さんを前にして、身も心も引き締まる思いです。

皆さんの新しい学び舎となる東京外国語大学は、1857年に開校された蕃書調所にその起源をさかのぼることができます。そして1873年に、英独仏魯清の5学科からなる東京外國語学校が設置されました。その後、紆余曲折を経て、1897年、当時の高等商業学校の付属外国語学校として創立され、1899年、東京外国語学校として独立します。その後、1949年の新制大学の発足とともに、東京外国語大学として新たなスタートを切りました。

本学、東京外国語大学の英語名称は、《Tokyo University of Foreign Studies》であって、《Tokyo University of Foreign Languages》ではないことを心に留めておいてください。この名称は1949年の新制大学発足とともに採用したものですが、「Foreign Studies(外国研究)」としたのは、たんに外国語を学ぶのではなく、「世界の言語とそれを基底とする文化一般」をあわせて学ぶことによってはじめて、「国際的な活動をするために必要な高い教養」を獲得することができるという理念からです。皆さんが、言語研究(Language Studies)と地域研究(Area Studies)を二つの柱とする東京外国語大学で、しっかりと「Foreign Studies(外国研究)」にいそしんで、近い将来、世界の諸地域で、英語と地域言語を駆使し、異文化理解力を備えた「多言語グローバル人材」として活躍されることを期待しています。

さて皆さんは、このアゴラ?グローバルや研究講義棟の壁面に、「国連アカデミック?インパクト(UNAI)」の10の原則が掲げられていることに気づかれたでしょうか。国連アカデミック?インパクトというのは、国際連合と世界の大学?高等教育機関とを結ぶパートナーシップで、わが国ではすでに約50の大学が参加しています。「知的分野の社会的責任の文化を共有する(Sharing a Culture of Intellectual Social Responsibility)」という標語のもと、加盟する高等教育機関が国連憲章や人権の尊重などの十原則を支持し促進するというのが、その趣旨です。原則10には、「教育を通じて異文化間の対話や相互理解を促進し、不寛容を取り除く(A commitment to promoting inter-cultural dialogue and understanding, and the "unlearning" of intolerance, through education)」と謳われています。

ご存じのように国際連合は、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟の反省を踏まえて、1945年に発足した国際機関です。とりわけ「自国ファースト」的な風潮が高まる昨今において、国連を中心に国際平和?安全の維持、諸国家間の友好関係の発展をはかることは喫緊の課題であると言えます。そしてこうした目標を実現する諸活動の基礎には、あらゆる国?地域の人びとの人権を尊重するということが据えられなければなりません。

今年2018年が、世界の人権に関する決議、つまり「世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights)」が国連総会で採択されて70周年にあたるということを、皆さんにはぜひとも銘記していただきたいと思います。その第1条は、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である(All human beings are born free and equal in dignity and rights)」と謳っています。

東京外国語大学は、その高等教育機関としてのミッションを「世界の言語?地域の理解を基盤とし、異文化間の対話と相互理解、地球社会における人びとの共存?共生に寄与する」と謳い、簡潔な英語での標語として?TUFS towards Interculturality through Language and Area Studies?を採用しています。日本の高等教育機関のグローバル化?国際化を主導すると自負する本学は、まさに「世界人権宣言」の内容を具現化していかなければなりません。先に触れた国連アカデミック?インパクトの十原則に加えて、事務棟や研究講義棟のエントランスには、世界人権宣言第1条冒頭を本学で専攻語として提供する世界の27言語で述べた垂れ幕を大きく掲げています。なぜそのようなことをしているかの理由を、ぜひ皆さんと共有したいと思います。

私は、大学時代にある老哲学者の講演に赴いたときに、その方が熱く語った若者への期待の言葉をいまでも座右の銘としています。それは、アメリカの哲学者エマーソンからの借用でしたが、《Hitch your wagon to a star》、つまり「汝の馬車を星につなげ」と言う言葉です。

どうか皆さんが、皆さんの夢や希望、理想に向かって一歩一歩近づいていってほしいと思います。同時に、いまはまだ人類の夢である「世界人権宣言」の実質化に向けて果敢に挑んでいただきたいと思います。本学での学びを